野田歌舞伎を観た

3カ月ぶり、M子女史との歌舞伎鑑賞。
今回の演目は「野田版 桜の森の満開の下」
野田歌舞伎を観るのは初めてだし
学生時代に坂口安吾にちょっとハマった時期もあったので
とても楽しみにしていた。

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作品の初演は1989年の夢の遊眠社、つまり28年も前。
なるほど連発されるギャグが古いわけだ。
2001年には新国立で野田地図として上演、
この時もタイトルは「贋作・桜の森の満開の下」だったが
今回は満を持しての歌舞伎上演という事で
野田版 桜の森の満開の下(二幕)となっています。

もちろん坂口安吾の同名短編小説「桜の森の満開の下」
加えて「夜長姫と耳男」が作品のベースになっていて
両者をミックスした野田ワールドがそこに展開されるというわけだが
私の知識不足や野田秀樹氏の観劇未体験というレベルの低さゆえ?
正直言って一幕目はついて行くのが精いっぱい。
面白いのか面白くないのか分からないくらい。
というのは野田作品の特徴らしいのだが
台詞をものすごい早口で喋るので聞き取れないことが多く
それを芝居の高揚感とスピード感というのかどうか
何言ってるかわからないけど笑いが起きてて
しかもそれがすごく古いしょもないダジャレだったりするとガッカリで
(ヒトの事言えないけど)
失礼ながらマナコ役の猿弥さんとか
耳男の勘九郎まで聞き取れない時もあり
二人はほとんど出ずっぱりで大事な役どころだから残念。
どんどん次の波が押し寄せるのでゆっくり笑ってもいられない。
その上イヤホンガイドが今回はあまり役に立たない。
席が舞台から若干遠かったといっても19列目なんだし、
このテンポについてゆけない自分が悪いのか?

それにしても勘九郎はよく動く、走り回る、大熱演!
あれだけの台詞量をよどみなくこなす皆さん、
役者ってのはほんとに大したものだ。
染五郎もなんだか楽しそうで(?)ぴったり役に染まってました。

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原作自体は怪奇ではあるがとても面白い短編なので
それをどう味付けするのかなと思っていたら
表題は「桜の森」うんぬんだが内容は主に耳男と夜長姫のおはなし。
ところどころに野田氏の世界観が垣間見える、
そしてこの方、言葉遊びと早いせりふ回しが大好きなんだね。

個人的には七之助が贔屓なので見入ってました。
夜長姫に扮した七之助、卓越。
得体のしれない美しさ、これを妖艶というのか、
時に無邪気な童女、時におどろおどろしく狂った鬼。
鬼門に座ってニタニタしながら足をぶらぶらさせてる姿なんて
あ~、子どもってわりと残酷なとこあるよね~って、
そして美しい姫から鬼に変わる時の不気味さと言ったらもぉ。
(イナバウアーもいいぞ!)
私としては早寝姫も良かった。
何よりみなさんが全力投球?!

ということで二幕目も全部見終わって
やっと少し腑に落ちた気がした。
歌舞伎でやる意味ってあるの?とも思ったけど
亡き中村勘三郎と親交の深かった野田氏の戯曲を
残った息子たち兄弟が歌舞伎でここまでやるという事は
かなり素晴らしいことではないか。

そっか、歌舞伎にこれもありか~という感じ、
いや~まいった、まいった。(劇中の台詞です)

最終場面がとにかく美しい。
まさに桜の森の満開の下。
表題はこれだけのためにあったのか?
舞台(背景)も、耳男が夜長姫を殺す場面も
咲き乱れる桜も、死んで消えてしまう場面も風情たっぷり。

なのに台詞がすごい。(夜長姫)
好きなものは呪うか殺すか争うかしなければならないのよ・・・
ひぇ~~っ。


どうでもいいことだが
いつもは辨松でお弁当(1200円)を買うのだが
今回は地下広場で地雷也の天むす弁当を購入。
天むす5個入り850円、お手軽ながらグッド。

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ちなみに日本橋弁松(銀座三越で売ってる)と
歌舞伎座前の木挽町辨松は同じ店とばかり思っていたのに
まったく別モノだったって、今まで知らなかった。

どちらのお店もファンが多い老舗店。
どちらかというと私は辨松寄りですが
何はともあれ、芝居は大好きだ~~♪
この舞台、歌舞伎だけどカーテンコールがありますよ。
幕閉まってもすぐに帰らないように。


以上、まったく身勝手な感想まで。












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by okira935 | 2017-08-23 20:58 | 旅のいろいろ | Comments(0)